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虎甲子園の風船の詩(うた)

 

 

 

 

シーズンが終了し

風船も舞わない

無人の甲子園に

目に見えない虎が歩き回っている

 

連続優勝を

無理強いした自分を

戒めるように

威嚇するように

自分の脳裏に歩いている

 

吼え声は

低周波で聞き取り難いが

ゆったりとした趣がある

 

たっぷりとした奥行がある

和み声は

自分の心の暗闇に入り込み

自分の苦痛を消し去り

自分の身体全体に染み入り

風船の舞わない甲子園で

自分を

恍惚感タップリにさせてくれる