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夏甲子園の風船の詩(うた)

 

 

 

 

夏のさなかの暑い甲子園

日に焼けた顔のしわには

50年の甲子園の経験が

たたまれている

 

色黒く

みすぼらしく

誇りを失った自分でも

いとほしく風船を守っていたいのだ

 

青く澄みわたった空の下で

風船は

清らかに

誇らしく

美しく

誇らしく

輝いている

 

こうして風船といる間にも

自分の影が

ぐんぐん薄くなっていく

 

でも自分は何時までも

からりと晴れきった甲子園で

厭きることなく

風船と濃い夏を

分かち合える自分で

いてみたい