電車甲子園の風船の詩(うた)
阪神電車の中で
風船を抱えた少年を見た
メガホンを持つ少女を見た
お揃いのハッピを
着ている家族連れを見た
一人一人の乗客が
いとおしく
かけがえのない
応援グッズを抱えている
離れて住み
会ったことのない乗客同士の心情が
瞬く間に通い合う交流電流の火花が
車両内にショートしている
数時間後、甲子園で隣り合わせに
お互いに、風船を飛ばしあい
最後に、六甲おろしを歌える
楽しみを自然に
分かち合えている
甲子園に向かう阪神電車は
乗客一人一人の
感受性が込められた
喜び、期待、希望を
運んでいる