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憶甲子園の風船の詩(うた)

 

 

 

何時から、阪神タイガースが

好きになったのか

憶えていない

 

ただ、自分が京都に来た時からとは

憶えている

 

福岡を去る時の気分は

西鉄ライオンズの黒い霧で

重々しく暗かった

 

八百長事件は

憶えないように

努めた

 

西鉄ライオンズと別れて

上洛した時

京都の風は

よそよそしく

冷たかった

 

阪神タイガースの話をすることで

京都の部屋を

開けることができた

 

自分に暖かい風が

吹くようになった

 

そして、風船の舞う甲子園で

強い巨人に立ち向かう

村山や江夏の姿は

雄々しく猛々しかったことは

よく憶えている